不正に受給した金額は1億円余りに上る。新型コロナに関する国の助成金をだまし取った疑いで福島県二本松市の会社の社長などが逮捕された。
2023年7月、福島テレビの取材で新商品の説明をしていた富樫縫製の社長・冨樫三由容疑者(76)。1月27日詐欺の疑いで逮捕された。
警察によると、冨樫容疑者は3年前の2022年8月ごろ、アルバイト従業員の遠藤里美容疑者(68)とともに福島労働局にウソの申請を行い、国の助成金約1600万円をだまし取った疑いが持たれている。
2023年7月当時、富樫縫製の富樫三由社長は「1日1万5千から2万枚までいきました。だから息つく暇もないですよね。電話も鳴りっぱなしで。(儲かったんですか?)儲かりましたね、はっきり言ってねトータルで120万~30万枚売ってますから」と話していた。
コロナ禍の中で繰り返し使える「水着マスク」を製造や医療用ガウンなどの受注で、当時は順調に業績を伸ばしたという「富樫縫製」。
しかし、コロナ特需は長くつづかず、次々に新商品開発に乗り出していた。
「今までの縫製業の概念を変えないとダメだと思っていので、それを今やろうと思っている」と話していた富樫容疑者。
福島労働局は1月27日、富樫縫製が従業員の勤務日や有給休暇日について、新型コロナの影響で休業を余儀なくされたとウソの申請をしたと公表。
2022年2月から2023年4月にかけて、新型コロナの影響を受けた事業者を国が補助する助成金1億円あまりを不正に受給していたと明らかにした。
福島労働局の聞き取りに対し、富樫縫製は不正受給を認め、謝罪したうえで返還の意思を示しているということだ。
コロナ禍をアイディアで乗り越えた社長がなぜ不正受給をしたのか?警察が余罪についても詳しく調べを進めている。